最近、「8時10分前」という表現が話題になっています。
これは「7時50分」と捉える人と、「8時10分より前」と捉える人に分かれるというもの。
特に後者は若者に多く、「最近の若い子は…」なんて声も聞かれます。
曖昧な表現、そしてチャット文化の影響
しかし、「若者がおかしい」と片付けていいのでしょうか?
そもそも「8時10分前」という表現自体が曖昧ではないでしょうか。
「8時の10分前」と「の」を入れる方が、日本語としてはずっと明確です。
なぜ若者は「8時10分より前」と捉えがちなのか。
その背景には、チャットやSNSなど、テキストコミュニケーションが
主流になった現代の言語習慣が考えられます。
これらのツールでは、より速く効率的に伝えるため、
助詞が省略されることが頻繁にあります。
「ご飯食べに行く?」のように、助詞がなくても
意味が通じる場面が多いからです。
このチャット文化に慣れた世代は、無意識のうちに助詞の持つ
細かな意味合いを意識しなかったり、省略したりすることがあります。
結果として、「8時10分前」という言葉を聞いたときに、
「8時10分」という固まりを先に認識し、
その「前」と解釈してしまっているのかもしれません。
まとめ:誤解を避けるための言葉選び
「8時10分前論争」は、単なる「若者の言葉の乱れ」ではありません。
表現自体の曖昧さや、現代のコミュニケーション環境の変化が影響していると考えられ
ます。
もし「7時50分」と伝えたいのであれば、
今後は「8時の10分前」と明確に伝えてみてはいかがでしょうか。
言葉は変化するもの。
この論争は、私たちが日頃使う言葉やコミュニケーションの
あり方について、改めて考える良いきっかけになるでしょう。