朝井リョウの作家15周年作品。
現代の推し活を描いて話題にもなっており、読んでみました。
そもそもこの「推し」という言葉。
これ自体はもう10年以上も前からあったと思いますが、
「推し活」というのはここ数年のことでしょうか。
事象自体はあったのでしょうが、そう名付けられて、
より先鋭化しているのでしょう。
この作品内で描かれる推し活は、
実際に起きている描写だと思えるし、
起きていそうだし、そこに怖さも感じる。
好きなものをとことん楽しむのはなんら悪くない。
自分もそっち系の人間だと思う。
けど、どうも周りとの連携や競争が絡んでくると、
とたんに厄介になるのでしょうか。
それは作内でも語られる、宗教との関連を思わせます。
メガチャーチという単語は初めて聞いたのですが、なるほど。
「イン・ザ・メガチャーチ」なるタイトル、そういうことですか。
それにしても、朝井リョウさんの読後は、ズシッときますね。
今作では3人の主人公パートからなっているのですが、
それぞれの人物の心情描写が、とても奥の奥まで描かれている気がします。
作中という形だからこそ語られるというか、決して表に出てこない心情な気がします。
印象的に語られたセリフのひとつ。
「還ってくるのは、これまでやってきたことよりも、
これまでやってこなかったことのほうなのかもしれない」
うーん、そうなの?そうなのか?
そして、味噌汁に関する描写も印象的。
インスタントだったり、
オリジナル具だくさんだったり、
味噌玉の冷凍だったり。
ただ、いずれも「おいしいもの」としては描かれていない。
視野を拡げる、狭めるといった話。
中年男性にとっての友人。
気楽な会話。
朝井リョウさんの読後は、ズシッときますね。
