信頼と安定の伊坂さん。
もう約10年も前のもので、なぜか今まで未読だった。
が、読んでみればいつもの伊坂ワールド。
この中の一編が下地になっている
斉藤和義の「ベリーベリーストロング」はお気に入りの一曲だ。
あのザクザクした感じのギターが抜群に心地よい。
また、映画も観ている。
のに、なぜか小説を読んでいなかった。
短編で起こっている世界が、それぞれに絡みつつ、
最終話で全てがつながり・・と言う好みのパターン。
また、時間軸の妙もあり、その辺りもより楽しめた一冊。
それにしても、伊坂作品の登場人物達はとても魅力的だ。
例えば織田一真。
チルドレンで言えば陣内、陽気なギャングで言えば響野のような存在。
口達者でよくわからない理屈を捏ねているが、
誰にも平等に接し本当に真理を突いていたりする。
周囲の人間は振り回されたり大変だろうが、
月並みながら「ニクめない」と言ったところ。
ボケとツッコミのような会話のテンポもよく、
やはり伊坂作品が好きだな、と感じるのはいつものこと。