残りの人生は~シラフで~

断酒をした事で生まれたシラフの時間に、思う事を書いていきます

六人の嘘つきな大学生 浅倉秋成

今年は読書不足だなんて言っていたものの、

続けざまに、読了。


これもまた、「正体」同様に、

室井イッキ見の際に流れてきていた映画の予告がきっかけ。

 

舞台は新卒の就職活動。

思えば、自分はこう言う経験は、ない。

 

新卒時の就活はさして熱もなく、成行きだったと思う。

 

ただ言わせてほしい。

いきなり会社、仕事を選べと言われたって、分かんないよ、と。

 

やってみたいことが無いわけではないものの、

それに対するアプローチがわからない。

 

大学時点での人間なんて、たいていはそんなレベルじゃないだろうか。

 

仮にあの時期に戻ったとして、

熱心に就活をする自分は想像できないわけです。

 

結果として、いくつかの仕事を経験する中で今に至る。

これが自分なんだろうなと感じてしまう。

 

それはさて置き。

就活の最終面接で起こる事件と、事件後の検証がストーリーとなる本作。

 

前半の最終面接編は、ひたすら読んでいて苦かった。


どうして、バイトやサークルでの経験により御社に貢献できる、

などと言えるのだろう?

 

自分はこういう集団面接の雰囲気が嫌で、

就活から遠ざかってしまったことを思い出す。

 

おっと、それもさて置き。

 

事件後の検証では話が二転三転し、人物評も二転三転。

 

小説ならではの伏線も効いてきて、

最後はまぁ明るく締められたと言っていいのではないでしょうか。